高分子の弾力性、化学的安定性を保持したまま、表面改質により生体適合性を向上させる手法として、プラズマイオン注入(Plasma Based Ion Implantation, PBII)法に着目した。シリコーンに対してPBIIを施し、表面組成および形状の変化、細胞接着率の変化について調べた。表面は照射電圧の上昇に伴い本来の構造が減少し、アモルファス炭素となった。イオン照射により細胞接着率と細胞増殖率は顕著に向上し、本手法の有効性が示された。一方、高電圧側では改質効果が減少した。細胞接着率と増殖率の双方から判断すると最適処理電圧は2.5~5kVの間であった。
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