• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

水中のシリカを利用した建築用および空調用銅管の新しい防食法の提案

研究課題

研究課題/領域番号 19760500
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

境 昌宏  室蘭工業大学, 工学部, 講師 (20301963)

キーワード淡水腐食 / 孔食 / シリカ / 銅管 / アニオン
研究概要

人工淡水を用いた銅管の浸漬試験より, 銅管を淡水に浸漬して10日ほどで初期皮膜が形成されることが判明した。この初期皮膜は水中のシリカ, 硫酸, 塩化物, 重炭酸イオン濃度に左右され, 特に塩化物イオンが含まれると速やかに初期皮膜が形成されることが分かった。形成された初期皮膜厚さをカソード還元法により調べたところ, 塩化物イオンは初期皮膜形成に加速因子として働き, 重炭酸イオンは抑制因子として働くことが分かった。この初期皮膜形成に及ぼす微量金属イオンの影響を調べるため, 淡水中の主要な成分であるシリカ, 硫酸イオン, 塩化物イオン, 重炭酸イオンを単独で含む試験水を用意し, この試験水に微量の鉄イオンおよびアルミニウムイオンを添加し, その濃度変化を調べた。この結果, 鉄イオンおよびアルミニウムイオンは重炭酸イオンを含む試験水中で速やかに減少することが判明した。また, 鉄イオンは硫酸イオンを含む試験水中で緩やかに減少することも分かった。シリカおよび塩化物イオンを含む試験水中では鉄, アルミニウムともに濃度減少は見られなかった。このように水中に添加された微量金属イオンの挙動は, 水中に含まれるシリカやアニオン種により大きく異なることが判明した。さらに, 微量の鉄やアルミニウムを含む試験水中に銅管を浸漬し1年後の表面観察を行った。その結果, 銅管表面に腐食は発生していたものの, 金属イオンを含まない場合と腐食挙動が異なることが分かった。具体的には, 試験水中に微量のアルミニウムイオンが存在する場合に発性した腐食孔の大きさが小さくなり, その数も少なくなることが判明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] シリカ, 硫酸, 塩化物, 重炭酸イオンを含む人工淡水中での銅管の長期浸漬試験2009

    • 著者名/発表者名
      境昌宏, 世利修美
    • 雑誌名

      銅と銅合金 48(掲載決定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] シリカ, 硫酸, 塩化物, 重炭酸イオンを含む人工淡水中での定電位保持試験による銅管の孔食発生挙動2008

    • 著者名/発表者名
      境昌宏, 小池美智男, 世利修美
    • 雑誌名

      銅と銅合金 47

      ページ: 244-249

    • 査読あり
  • [学会発表] シリカおよび各種アニオンを含む人工淡水中で生成した銅初期皮膜に関する考察2008

    • 著者名/発表者名
      境昌宏, 小池美智男, 世利修美
    • 学会等名
      材料と環境2008
    • 発表場所
      大宮ソニックシティ
    • 年月日
      2008-05-15

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi