研究概要 |
1. 接合部のマルチスケール構造の調査 SPCC/A5052-H34に加えて, SPCC/A5052-0の加圧突合せレーザ接合実験を高圧力負荷領域で行い, 得られた試験片の接合強度を評価した. 結果において, A5052-H34のときのような大幅な強度低下は見られなかったものの, A1050のときのような強度の増加傾向も見られなかった. 界面近傍マクロ構造に関する調査を行った結果,たる形形状になっているものの試験片の座屈や表面への材料のかぶりが発生していた. 2. 加圧突合せレーザ接合による接合界面の形成メカニズムの検討 接合時の温度変化を調べた結果, 接合時に界面の温度がおよそ700℃〜1400℃になることがわかった. また, これら高温の状態にあるのは1秒未満であると考えられる. 接合界面のミクロ構造として, 界面近傍の元素分布の測定した. 結果から, 高圧を負荷することによってアルミニウム側への鉄の拡散が生じやすくなるような傾向がみられた. このことから, 接合材の破断がアルミニウム側の鉄リッチな箇所から生じている可能性が強くなった. 3. 接合部のマルチスケール構造と接合強度の関連の整理 本研究では, 解析の精度や接合時の座屈・かぶりの発生などに課題が残ったが, 暫定的に接合部のマクロ構造とミクロ構造および接合強度の関連を整理した. また, 接合部のマルチスケール構造を考慮して2段階の圧力負荷を行ってSPCC/A5052-H34の接合を行った結果, 接合強度の向上が見られた. 4. SPCC/アルミニウム合金突合せレーザ接合材のテーラードブランク成形の可能性の検討 SPCC/A1050-0成形用接合板の作製を行い, 成形性試験(引張試験, エリクセン試験, 深絞り試験等)によって板材成形性を調査した. 結果から軟鋼/アルミニウムテーラードブランク成形における基本的な特徴を明らかにした.
|