• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

自己修復作用を有した次世代型高耐食性ナノ微粒子複合電析

研究課題

研究課題/領域番号 19760510
研究機関九州大学

研究代表者

大上 悟  九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (90264085)

キーワードバナジウム / zn-v / 複合電析物
研究概要

自動車用鋼板は,高温・高湿度から極低温・高塩濃度まで幅広い環境で耐食性を発揮しなくてはならない。一般的な自動車用鋼板の防食処理は多層であり,外から,複数の塗膜層・化成処理膜・Zn合金めっきからなる。
化成処理膜として従来は6価クロメート処理が行われていたが,EUによるRoHS指令により,ヨーロッパ圏での使用が禁止され,世界でもその流れが起きている。
6価クロメート処理に特有の「自己修復性」はCrイオンが3価と6価という多価酸化状態を持ち皮膜に損傷が発生した場合,残存するCr6+が損傷部に流動,下地のZnと酸化還元反応を起こし, Cr酸化皮膜を形成することに起因する。Cr以外にも多価酸化状態を有する元素は多数有り,研究者はVに注目した。研究者は化成処理ではなくZnめっき皮膜中にV化合物を分散共析することによる新しい防食処理法の開発を目的とした。
本年度はZnめっき膜中にV化合物を混在させる方法として, Zn電析の際に陰極近傍が高pH状態になることを利用した「微小V水酸化物その場生成」を試みた。バルクのpHが1未溝の時は, Znの電流効率は低く,Zn皮膜中にV元素は混入しなかった。しかしながらバルクのpHを大きくしていくと, V元素が混入され始め,最大20wt%程度までの混入が確認された。
各種電析条件で作製した電析物を分析機器で測定した結果を以下にまとめる。
色合い… V元素が多量に混入している試料は一般的な亜鉛合金のモノトーンとは異なり,青黒い色をしていた
ESCA(XPS)・・上記試料において, Znは金属状態, Vは酸化物状態であったが, Sのピークも観測された
XRD・… 全ての試料において,金属Znに相当するピークしか観測できなかった。またZnの格子定数の変化も見られない。
SEM/EPMA・・通常のZn電析において見られる「六角板状結晶」が観察されたが,その大きさは小さく,エッジ部分に何かが付着しているのが確認できた。EPMAによる元素マッピングにより,その付着物がVとSに起因するものであることがわかった。元素分布状態からVは硫酸塩と酸化物の少なくとも2種類が混在している可能性がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 硫酸塩水溶液からのZn-V酸化物複合電析2008

    • 著者名/発表者名
      中野 博昭
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会
    • 発表場所
      武蔵工業大学
    • 年月日
      2008-03-27

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi