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2007 年度 実績報告書

非平衡状態下でのカルシウムフェライト系融体の物性と構造に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19760522
研究機関九州大学

研究代表者

助永 壮平  九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (20432859)

キーワード高温融体物性 / カルシウムフエライト / 構造
研究概要

焼結鉱の焼成プロセスにおける生成融液であるカルシウムフェライト系融体の粘度は,等温で保持した場合に時間依存性を示すことが報告されている.本研究では,カルシウムフェライト系融体の物性値(粘度・表面張力)の時間依存性についてについて調査し,物性値を支配している融体構造を明らかにすることを目的とした.CaO・Fe_2O_3を基本組成とし, SiO_2またはAl_2O_3を5mass%添加した融体を測定対象とした.粘度の時間依存性について,ルツボ回転法により調査を行った.カルシウムフェライト系融体を1873Kおよび1673Kに保持した場合,いずれの系においても時間とともに粘度が低下し,1873 Kで保持した場合に比較して1673Kで保持した場合の方が単位時間あたりの粘度低下は小さいことが明らかになった.また,1873Kで保持した場合,2時間以降は一定な粘度を示した一方で,1673 Kで保持した場合,10h程度経過した後も粘度が低下し続けており平衡状態に到達するのに長時間を要することが明らかになった.Fe_2O_3は両陸酸化物であり,塩基性の融体中においては酸素4配位構造(Fe^<3+>(4))をとり粘度上昇に寄与し,一方で酸性の融体中においては酸素6配位構造(Fe^<3+>(6))をとり粘度を低下させる働きがあることが知られている.これらの結果は,両性酸化物であるFe_2O_3の挙動が時間とともに変化し(構造緩和),温度によっても緩和速度やFe^<3+>(4)/Fe^<3+>(6)比の平衡値が異なることを示唆している.今後,各温度・各時間における急冷ガラス試料について構造解析を行い詳細について議論する必要がある.また,表面張力についても同様の測定を行う。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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