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2007 年度 実績報告書

エチレングリコール非水溶媒からの電析法による熱電材料デバイスの作製

研究課題

研究課題/領域番号 19760523
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

山本 宏明  兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (40326301)

キーワード表面処理 / 電解析出 / 表面物性 / 化合物半導体 / 非水溶液電解 / 熱電変換 / 亜鉛-アンチモン合金 / エチレングリコール
研究概要

平成19年度の本研究は,エチレングリコール(以下EGと略記)を非水溶媒として用い,熱電材料として高い性能指数を有するZn-Sb合金を電析法により作製すること,およびそのZn-Sb合金の組成を制御することでZn_4Sb_3(Zn:57.1mol%,Sb:42.9mol%)に近い組成を得ることを目的とした。電解に用いた溶液は,これまでの研究から亜鉛イオン源にZnCl_2,アンチモンイオン源に酒石酸アンチモンカリウム(以後APTと略記)を用いて,これらの金属塩の総濃度を10mol%としたEG-(ZnC1_2-APT)(85.0-15.0mol%)を用いた。まず,EG溶液からの亜鉛およびアンチモンの還元挙動をカソード分極曲線を測定することで調べた。過去の研究では,アンチモンイオン源にSbCl_3を用いる場合より,APTを用いた方が,Zn-Sb合金の組成制御が容易であることがわかったが,そのことはカソード分極曲線を測定することで明確に理解することができた。錯イオンを形成するAPTからのアンチモンの還元電位は,ZnCl_2からの亜鉛の還元電位に近接しており,EG中において亜鉛とアンチモンが共析しやすい環境であることがわかった。そこで,次に,ZnCl_2,とAPTのモル比を種々に変化させて,50〜300Am^<-2>の定電流電解により電析を行った。その結果,ZnCl_2:APT(モル比)=10:1〜30:1では,いずれの溶液においても,50〜100Am^<-2>ではアンチモンが,250〜300Am^<-2>では亜鉛が優先的に析出し,電流密度が高くなるにつれZn含有量が高くなる傾向があることがわかった。電解条件により,Zn-Sb合金の組成が制御できることが明らかになったが,実験範囲内で,Zn_4Sb_3(Zn:57.1mol%,Sb:42.9mol%)に近い組成のZn-Sb合金が得られたのは,EG-ZnCl_2-APT(85.0-14.5-0.5mo1%)溶液において電流密度100Am^<-2>の条件であり,Zn-Sb(Zn:57.0mol%.Sb:43.0mol%)合金が得られた。
本研究で得られたZn-Sb合金試料に対して,試料の両端に温度差が生じるように加熱したところ,起電力が発生したことから,熱電変換能を有することがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] EMIBイオン液体を用いた高耐食性亜鉛-マグネシウム合金めっき2007

    • 著者名/発表者名
      山本 宏明
    • 雑誌名

      表面技術 58

      ページ: 804-809

    • 査読あり
  • [学会発表] エチレングリコールを用いた電解法によるZn-Sb熱電半導体の電析2007

    • 著者名/発表者名
      井口涼平, 山本宏明, 森下政夫
    • 学会等名
      材料化学研究会
    • 発表場所
      兵庫県立大学
    • 年月日
      2007-12-10

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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