本研究では、不安定物質の化学構造がどのように反応機構に影響を及ぼすか、を量子化学計算ソフトGaussian を用いて検討した。対象はヒドロキシルアミン(NH2OH)と鉄(III)イオンの反応である。水溶液中での反応を模擬するため、通常6配位錯体である鉄(III)イオンに5つの水分子と1つのNH2OH 分子が配位した構造について構造最適化,エネルギー計算を行った。 その結果、NH2OH が分解してアンモニア分子を発生する反応機構が示唆された。これは、NH2OH と鉄イオンを混合するとアンモニアが発生するという実験的事実と合致する。
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