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2009 年度 実績報告書

軽量アブレータのコーキング現象に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19760564
研究機関名古屋大学

研究代表者

酒井 武治  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90323047)

キーワードアブレーション / コーキング / 気体透過率 / 炭素繊維断熱複合材料 / 空力加熱 / レーザー
研究概要

アブレータ炭化層内で起こるコーキング現象を捉えるため、アーク加熱風洞で加熱した供試体の気体透過率と炭化層密度をそれぞれ計測し、電気炉加熱で炭化させた供試体と比較した。アブレータは、炭素繊維にフェノール樹脂を含浸させて製造し比重は約0.3である。600~1200Kで電気炉加熱を行い、異なる空隙率の供試体を作成した。空隙率に対する透過率をフィティングし、数値シミュレーションで使えるよう整備した。供試体形状は、直径約13mm厚さ約1mmである。気体透過率は、供試体に定常的に空気を流して供試体前後での圧力と流量を測定し、ダルシーの法則を使って導出した。また、高密度アブレータ材料をアーク加熱試験し、アブレーション衝撃層内にHe-Neレーザー光を気流に対して垂直に入射させ、レーザー光透過減衰率測定を行った。この際ミラーを使って光路長を長く取り実験を行った。結果を要約すると以下のようである。(1)アーク加熱で得られた供試体の透過率は加熱表面に向かって減少し、密度分布は表面に向かって増加する。コーキング現象をモデル化せずに行ったシミュレーション結果では、実験結果を再現することができなかった。これらの結果は、熱分解したガスが加熱面に向かって流出する際に、熱分解ガスの化学反応により炭化層に固体が析出するコーキング現象を示唆するデータであり、アブレータの質量損失量を正確に理解するためにはコーキング現象をモデル化する必要があることがわかった。(2)レーザー光透過減衰実験では、固体微粒子による透過光減衰は観測できなかった。これは、コーキングが熱分解ガス中に生じるすすが炭化層に吸着することでおこるものではないと推察され、コーキング現象を理解するには、異なる物理メカニズムを調査する必要があることがわかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Computational Simulation of Arc Heater Flows for Martian Atmosphere2009

    • 著者名/発表者名
      Sakai T., (他2名)
    • 雑誌名

      Transactions of Japan Society for Aeronautical and Space Sciences, Space Technology Japan 7

      ページ: 43-47

    • 査読あり
  • [学会発表] スポレーション粒子のレーザー光透過減衰実験2010

    • 著者名/発表者名
      栗林, 他6名
    • 学会等名
      平成21年度衝撃波シンポジウム
    • 発表場所
      埼玉大学(埼玉県)
    • 年月日
      2010-03-17
  • [学会発表] 炭化アブレータの炭化層形成2009

    • 著者名/発表者名
      酒井, 他6名
    • 学会等名
      第53回 宇宙科学術連合講演会
    • 発表場所
      京都大学(京都府)
    • 年月日
      2009-09-10
  • [学会発表] An Experimental and Numerical Study on Thermal Response of Ablators2009

    • 著者名/発表者名
      Masami Tomita
    • 学会等名
      27^<th> International Symposium on Space Technology and Science
    • 発表場所
      筑波国際センター(茨城県)
    • 年月日
      2009-07-09

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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