研究概要 |
本研究の目的は自律小型航空機の自動回避を行い,複数機による制御コンフリクトを検証するものである.研究では既存の回避制御則や回避制御システムを模擬し,特殊な条件において複数機の回避システムについてのコンフリクトを検証する.今後想定されている高度輸送社会においての航空機の安全性や信頼性向上のための一端を担う研究であると考えられる.2カ年計画の初年度としての目標はシステムの立ち上げとしており,ソフトウェアおよびハードウェアの準備を行った.当該年度の研究成果として,小型航空機の自律飛行実験及び制御則に関するシミュレーションを中心に行った.自律飛行実験では,まず新規小型機体を準備し,その特性調査を行った.また,自律飛行は短時間しか行えないものの,入力に対し,想定している運動を再現することができている.また,計測データの取得を順調に行っており,今後の研究を行うにあたり有用な結果を得られることが期待される.さらに,計測データを用いて任意の状態へのフィードバック入力も可能になっている.シミュレーションでは航空機の回避シミュレーションを行っている.シミュレーションでは様々な条件より同時回避運動を行う航空機を扱っており,故意的に対称となる回避入力を与え,航空機が衝突方向に移動してしまう様も再現することができている.一方,回避とともに追従シミュレーションも行っており,将来的にはフォーメーションフライトなども視野に入れ,研究を行っていくこととする.
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