研究概要 |
温度依存性が対になる2色発光を用いた温度依存性キャンセリング機構を備えた感圧コーティングの研究とその実証試験を平成19年度,20年度の2年間で行う。低波長側の発光ピークは温度の増加とともに増加し,高波長側の発光ピーク温度の増加とともに減少する傾向がある。2色発光が重なる波長領域は温度によらず発光量が一定となることに着目し,この領域で計測することで温度依存性をキャンセルした圧力分布計測を可能にすることを目指す。平成19年度は2色発光を有する感圧コーティングの開発を行った。温度依存性をキャンセルするには,発光ピーク比を制御する必要がある。研究代表者は感圧コーティングに色素を付着するディッピング法のパラメータ(色素濃度,ディッピング温度と時間)とピーク比との関係を調べた。色素濃度,ディッピング温度と時間を増すと低波長側のピークが増加し,高波長側のピークが増加するにはその逆を行うことにより制御できることがわかった。2色発光が重なる波長領域では,単一の発光波長で計測した温度依存性に対し,最大で90%温度依存性を軽減することに成功した。圧力感度は若干減少してしまうという課題が見つかり,平成20年度は圧力感度を維持しつつ温度キャンセルを行うピーク比の決定法を求める。また,開発する感圧コーティングを用いて温度変化が無視できない圧力場での実証試験を行う。
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