本年度は主として、多足歩行ロボットのネットワークの構築に力をいれた。電力線を用いたPLCモデムによる船上装置の通信と水中部の通信を研究した。また、水中部のCPUをSH2に変えOSのインプリメントとOSの改造によりイーサーネットワークの接続を可能にした。以上により、水中部のコントローラをTCP/IPで制御できるようになり、多彩な行動が可能となった。また、イーサーネットをインターフェイスとする機器(たとえば、Webカメラ等)の接続と通信が可能になった。また脚の部分もネットワークを用いて制御できるようになった。とくに、SH2マイコンの制御OSに手を加え、リアルタイム性とネットワーク、ファイルシステムを持った小型のリアルタイムOSとなった。また、産業用ネットワークSPI、I2Cが利用できるようにデバイスドライバを作成した。 その他には、電子デバイス(1chipマイコン等)の水圧による動作への影響を調査した。近年の電子デバイスの性能は圧力に対しても強くなっており、PIC16F84Aでは5000mの圧力下でも動作することが確認できた。このことは、簡単な均等圧構造で今までは動作ができなかったLSIを利用できることを示した。これはカニロボットのような複数の電子デバイスを制御するシステムには、大きなメリットである。今後この構造を生かした設計を行い、耐圧容器の減少を図ることができる。 アウトロータ型のブラシレスモータは試験装置の作成に手間取ったこと、ソフトウエアのつめが甘かったこともあり動作はしたものの水中に入れられるレベルには達しなかった
|