研究概要 |
平成19年度は、WIO-MFAモデルに基づくレアメタル資源循環分析モデルの開発と適用を目指して、携帯電話に含まれる微量物質のフローITO用途のインジウムのレアメタルフロー、鉄資源循環に随伴するレアメタルフローを対象に調査・分析を実施した。以下に、それぞれの研究成果をまとめる。 2004年までの携帯電話(PHSを含む)の生産台数は約4億台であり、生産のために投入された国内投入量は、Pb:102t, Ba:228t, Cr:53t, Ni:239tである事が明らかとなった。また、このうちリサイクルを目的とした販売店返却は僅かに31%である事が明らかとなった。 インジウム需要の86.9%を占める透明電極用ITOに利用されるインジウムフローを明らかにした。研究の結果、日本において、ITO膜用途に利用されている470t-Inのインジウムのうちで、220t-Inが拡散もしくは潜在的に拡散している事が明らかとなった。また、FPDに含まれるインジウム量は、僅かに14t-Inであると得られた。これは、ITO膜用途のインジウムの約3%である。 マンガン需要の96%を占める鉄鋼フローに随伴するマンガンのマテリアルフローを明らかにした。研究の結果、製鉄プロセスでは、鉄鉱石およびその他の鉄原料として266.2×10^3t-Mnのマンガンが投入され、そのうち銑鉄として208.9×10^3t-Mnが、高炉スラグとして55.4×10^3t-Mnが排出される事が明らかとなった。また、製鋼プロセスでは、製鋼スラグとして、530.7×10^3t-Mnが排出されると共に、合金成分を添加するために、二次精錬工程において、フェロマンガン、シリコンマンガンおよび金属マンガンとして、577.6×10^3t-Mnのマンガンが投入さている事が明らかとなった。
|