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2007 年度 実績報告書

熱量測定によるアクチノイド錯生成反応機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19760606
研究機関東北大学

研究代表者

桐島 陽  東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (00400424)

キーワードマイクロカロリメトリー / 熱量滴定法 / 錯生成エンタルピー
研究概要

放射性廃棄物の地層処分の安全評価においては、放射性核種の地中での反応挙動を評価しなくてはならない。これらの反応は自然界の地層中で起こるため想定の必要な反応条件は非常に多岐に渡り、実際に実験室系ですべての条件についてこれを求めることは不可能である。ゆえに標準条件での平衡定数より種々の条件へ外挿していくことが必要となるが、科学的に充分妥当な外挿を行う為には反応の詳細な機構の理解が不可欠であり、このためには反応の平衡定数(ギブズ自由エネルギー)のみならずエンタルピーやエントロピーなどの熱力学量の情報が必要となる。放射性核種の中でもウランやアメリシウムといったアクチノイド元素は安全評価上特に重要な元素であるが、これらの金属イオンと有機酸塩による錯生成を調べるには、有機酸自身の酸解離の平衡定数が必要となる。このため、本年度は錯生成熱力学量決定のための準備実験としてフタル酸、アジピン酸等の有機酸について、電位差滴定(アルカリを加えていってその時のpcHを測定する)を行い、25℃における酸解離定数を決定した。また、酸解離にかかわるエンタルピーおよびエントロピーも、金属イオンとの錯生成熱力学量との比較検討のために重要となるので、これについては熱量滴定により決定した。この結果、エンタルピーおよびエントロピーを求めたところ、数kJ/molの程度のエンタルピーを高い精度で測定することが出来た。得られた値から取り扱ったプロトン化反応の-△GはT△Sの項に支配されており、着目反応の駆動力はエントロピー変化であることがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Thermodynamic study on the U (VI) complexation with dicarboxylates by calorimetry2008

    • 著者名/発表者名
      Akira Kirishima, Yuko Onishi, Nobuaki Sato and Osamu Tochiyama
    • 雑誌名

      Radiochimica Acta (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] Thermodynamic study on the U (VI) complexation with dicarboxylates by calorimetry2007

    • 著者名/発表者名
      Akira Kirishima, Yuko Onishi, Nobuaki Sato and Osamu Tochiyama
    • 学会等名
      11th International Conference on Chemistry and Migration and Behavior of Actinides and Fission Products in the Geosphere, MIGRATION '07
    • 発表場所
      ミュンヘン(ドイツ)
    • 年月日
      20070826-31

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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