無機物でかつ常温で液体である「水和物溶融体」を用い、次のことを明らかにした。(1)ウランイオンはU(VI)からU(V))に電気化学的に還元されその後不均化反応によってU(VI)及びU(IV)を生成する。このとき、U(IV)はUO_2として電析する。(2)水和物溶融体中に溶存するウランイオンの錯体環境についてX線吸収微細構造(XAFS)を用いて調べた結果、希薄な溶液中で観察されているウランイオンの錯体環境と全く異なることを明にした。以上の知見は、濃厚電解質である水和物溶融体に溶存するイオンの錯体環境の理解に寄与するのみならず、より安全な媒体を用いた使用済燃料の再処理技術にも寄与するものと考えられる。
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