1次元位置検出器を製作した。実験と平行してEGS4を用いて、検出器の体系を詳細に模擬して10.8MeVγ線が検出器に入射したときの応答を調べた。その結果、初段のシンチレータで対生成により生成した高エネルギーの電子と陽電子は初段のシンチレータを突き抜けガス中に入射し、数cmのドリフト領域を飛行することができることを確認した。これにより、ドリフトチェンバーで荷電粒子の2つの秘跡を確認して対生成を識別することができることを確認した。2段目の検出器に入射した電子と陽電子はシンチレータ内でほぼ全エネルギーを付与することで入射エネルギーを確定することができることがわかった。また、EGS4を用いて土壌を模擬して土壌中での10.8MeVγ線の散乱の影響を調べた。 将来的に企業との連携を考え、本発明に関連して2007年8月と2008年2月に2件の特許申請を行った。1件目の出願は本研究に関連したアイディアである。また、本研究テーマをもとに新たな小型地雷探知原理のアイディアを考案し、特許の出願も行うことができた。本研究テーマにある検出器を2つ以上用いることで地雷の深さ情報を取得できる。新しく考案した手法では深さ情報はわからないものの小型で、本研究のような大型の中性子源を必要としないため、大型重機の入れない場所での探索活動が可能となると思われる。
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