高精度で材料内部の残留応力/ひずみ分布測定が可能な放射光応力測定法を、粗大粒や集合組織を有する原子炉材料に適用するための技術開発を行った。試料を測定中回転させることにより回折に預かる結晶粒の数を増やしたことで、厚さ4mmの原子炉材料について表面から内部にいたるひずみ分布を得ることに成功した。 一方、測定時間の短縮を最大の目的として、多次元検出器と独自に開発したスパイラルスリットによる応力測定技術開発を行った。鉄鋼材に対して表面から150μmの深さまでの応力分布が数分で測定できる可能性を明らかにした。本手法は、今後、解析システムを構築することでき裂進展中や温度変化のような逐次変化する環境中の応力分布測定に役立つ技術になると期待できる。
|