1.日射量データに基づく太陽光発電出力データの確定太陽光発電の出力データは、全天日射量データより推定するものとし、分オーダの日射データ収集システムとして、英弘精機(株)のネット気象台を利用した。なお、全天日射計は分オーダのデータを収集するため応答速度の速い日射計を購入した。 2.太陽光発電の分オーダ出力を考慮した提案マネジメント手法の評価分オーダの日射量データを用いて、提案する地域レベルのエネルギーマネジメント手法の導入効果を評価するため、本年度は導入評価モデルの基本的な部分を開発した。すなわち、配電ネットワークの各種パラメータ及び各負荷区間(母線)における需要家種別を想定し、太陽光発電の導入前の系統における配電用変電所からの送り出し電圧の決定方法を開発した。このような配電系統モデルにおいて、住宅負荷を想定した一母線において100%の住宅が太陽光発電を導入することを想定し、配電ネットワーク電圧への影響を評価した。また、二次電池が導入される業務用需要家についても、需要家の年間コスト最小化に基づく二次電池の最適導入計画モデルを開発し、妥当性の検証を行った。さらに、二次電池の導入計画モデルに基づき需要家種別毎に二次電池のインバータ部と蓄電部に分けて容量を決定し、インバータ容量に余裕を与えることによる無効電力の調整可能範囲の拡大効果を評価した。また、前述の配電ネットワークモデルに対して、二次電池を併設した業務用需要家を想定し潮流計算を行い、配電ネットワーク電圧へ与える影響を評価した。平成20年度は、二次電池からの無効電力出力を考慮した、電圧制御手法について検討し、一般電気事業者の設置する電圧制御機器(SVC)との比較検討を行う予定である。
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