研究概要 |
1. 枯草菌におけるre1A遺伝子欠失によるリボソームRNAオペロンの転写減衰が、新奇ppGpp合成酵素、YjbMおよびYwaCの構造遺伝子の欠失によって回復することを明らかにした。また、枯草菌re1A遺伝子欠失株では増殖速度の低下が認められるが、増殖速度が回復したサプレッサー変異株を多数取得、うち35株について変異部位を同定したところ、全てがyjbMもしくはywaC内に生じていることが明らかとなった。このことは、枯草菌におけるppGpp合成系がRelA, YjbM, YwaCの三種に限られることを強く示唆するものである。以上の結果をJ, Bacteriolに投稿し、近日中に受理される見込みとなっている。 2. 新奇ppGpp合成酵素、YjbMおよびYwaCの生理学的意義を探索すべく、re1A yjbM ywaC三重遺伝子変異株にてYjbMもしくはYwaCを人為的に発現誘導可能な株を構築し、その表現型について検討を行った。その結果、YwaCの発現により増殖が停止し、細胞内にてリボソームが不活化した状態(二量体)になることが明らかとなった。また、この二量体形成には機能未知タンパク質であるYvyDが必須であることを、遺伝学的・生化学的解析により明らかとした。
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