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2007 年度 実績報告書

魚類の性的二形の進化に雄性ホルモンの免疫抑制効果を通じた性淘汰が果たす役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19770015
研究機関長野大学

研究代表者

高橋 大輔  長野大学, 環境ツーリズム学部, 准教授 (90422922)

キーワード性淘汰 / ハンディキャップ原理 / 雄性ホルモン / 免疫能 / 魚類
研究概要

2007年度は、自然状態における調査対象魚種(オイカワ、ウグイ、ヌマチチブ)の雄の各種ホルモン血中濃度・寄生虫への罹患率・二次性徴形質等の季節的変化を把握するために、定期的に個体採集を行った。ヌマチチブ及びオイカワは解析に十分量の個体数を確保できたが、ウグイの採集は極めて困難であり十分な個体数を採集することができなかったため、採集場所の再選定ならびに効率の良い採集方法の確立が必要であると考えられた。オイカワでは、繁殖期に婚姻色や尻鰭長などの二次性徴形質の発現の程度に雄間で大きなばらつきが見られたが、非繁殖期には二次性徴形質がほとんど発現せず雄間で明瞭な違いが見られなかった。ヌマチチブでは、二次性徴形質である背鰭長に年間を通じて雄間で大きな差が見られた。また、ヌマチチブでは腹腔内に線虫が観察されたが、オイカワ及びウグイでは肉眼で確認できる外部寄生虫は観察されなかった。今後は肉眼視が困難な微小寄生虫も視野に入れて体内外寄生虫の罹患について精査する予定である。2007年度に予定していた各種ホルモン及び免疫能の測定は、実験系構築に手間取ったため未だ測定を継続中であり、測定が終了次第、性的形質発現の程度等との関連を解析する予定である。
また、2007年度に予定していたオイカワ及びウグイにおける雌の配偶者選択実験は、ウグイにおいては個体数を確保できなかったため、そしてオイカワでは実験系構築に時間を要したために、雌が配偶者選択に用いる雄の性的形質を特定できなかった。オイカワでは求愛行動が観察できた少数例で、雌は尻鰭が伸長し婚姻色を呈示した雄の求愛を頻繁に受けることが観察されたため、これらの雄の形質に焦点を当て雌の配偶者選択との関連について実験を継続することとする。ウグイに関しては、採集方法等を早急に確立し、雌の配偶者選択実験を実施したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Life-history variation in relation to nest site abundance in males of the freshwater goby Tridentiger brevispinis2008

    • 著者名/発表者名
      Takahashi D.
    • 雑誌名

      Ecology of Freshwater Fish 17

      ページ: 71-77

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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