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2007 年度 実績報告書

食物網構造成立機構の適応的視点からの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19770019
研究機関龍谷大学

研究代表者

近藤 倫生  龍谷大学, 理工学部, 講師 (30388160)

キーワード食物網 / 対捕食者防御 / 適応的食物網仮説
研究概要

複雑な食物網ほど不安定になりやすいことが理論モデルで示されて以来、複雑食物網を安定化するメカニズムや、正の複雑性-安定性関係が成立する理論的メカニズムについて研究が盛んにおこなわれてきた。被食者の捕食者に対する適応的防御行動の有無や、その天敵特異性が、食物網の構造と群集の安定性の間の関係に及ぼす影響について、数理モデルを利用した理論研究をおこなった。適応的防御行動が存在しない場合や、防御行動が存在しても天敵特異性が低い場合には、食物網の潜在的リンク数が増えるに従って、群集の安定性(パーシステンス)は低下する。それに対して、天敵特異的な適応的防御行動が存在するときには、食物網の潜在的リンク数が増えるとともに、群集の安定性は-山形の反応を示した。これは、適応的被食者の存在下で、正の食物網複雑性-安定性関係が成立する可能性を示している。しかし、潜在的リンク数が極端に多い状況では、群集の安定性は極めて低くなってしまうことが予測された。このことは、極めて複雑な食物網では、適応的防御行動の安定化効果はあまり期待できないことを示しているのと同時に、リンク数を減らす効果のある適応的捕食行動の存在下では適応的防御行動の安定化効果が高まることが期待できることを示している。これは、生物の適応的行動が複雑な食物網を安定化する一つのメカニズムの可能性を示唆している。本研究の結果は、査読付き国際誌に投稿論文として掲載された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Anti-predator defence and the complexity-stability relationship of food webs.2007

    • 著者名/発表者名
      Michio Kondoh
    • 雑誌名

      Proceedings of the Royal Society of London. Series B. 274

      ページ: 1617-1624

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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