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2008 年度 実績報告書

光合成膜には何故多量のガラクト脂質が存在するか

研究課題

研究課題/領域番号 19770025
研究機関埼玉大学

研究代表者

粟井 光一郎  埼玉大学, 学院理工学研究科, 助教 (80431732)

キーワードチラコイド膜 / 葉緑体 / ガラクト脂質 / 糖転移酵素 / リン酸欠乏 / シアノバクテリア / 比較ゲノム解析 / 光合成
研究概要

光合成膜であるチラコイド膜の脂質組成は、酸素発生型光合成をする生物で非常によく保存されており、多量のガラクト脂質を含むことが知られている。しかし、何故チラコイド膜に多量のガラクト脂質が存在するのか、現在のところ明らかとなっていない。我々は、シアノバクテリアには植物とは異なるタイプのDGDG合成遺伝子が存在すると予想し、糖転移酵素の活性モチーフ検索を主な手法として、単細胞性シアノバクテリアであるSynechocystis sp. PCC6803よりDGDG合成酵素遺伝子dgdAの単離に成功している。dgdA遺伝子の破壊株では、シアノバクテリアは無機栄養塩が供給される限り大きな問題なく生育することがわかった。一方、dgdA破壊株をリン酸欠乏培地で培養すると、生育に遅れが見られた。このことから、リン酸塩の欠乏した自然環境では、dgdA遺伝子はシアノバクテリアの生育によりよい効果をもたらすと考えられた。そこで、この現象がシアノバクテリア一般に見られるかを調べるため、他の単細胞性シアノバクテリアSynechococcus sp.PCC7942や糸状性シアノバクテリアであるAnabaena sp.PCC7120でdgdA遺伝子の破壊を試みた。その結果、これらのシアノバクテリアではdgdA遺伝子を破壊できなかったことから、シアノバクテリアの種によっては、DGDGを必須とすることがわかった。また、これらの株でリン脂質がDGDGを代替できるかを調べるため、リン脂質の蓄積する株を作成した。この株でdgdA遺伝子を破壊できるかを調べ、DGDGが膜の構成脂質としてだけではなく、その極性頭部が光合成膜に重要であるかを明らかにしたい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Type B monogalactosyldiacylglycerol synthases are involved in phosphate starvati on-induced lipid remodeling and are crucial for low-phosphate adaptation2009

    • 著者名/発表者名
      Koichi Kobayashi
    • 雑誌名

      The Plant Journal 57

      ページ: 322-331

    • 査読あり
  • [学会発表] 糸状性シアノバクテリアにみられる糖脂質の構造解析2009

    • 著者名/発表者名
      渡辺英男
    • 学会等名
      日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      愛知(名古屋)
    • 年月日
      2009-03-21
  • [学会発表] ラン藻Synechocystis sp.PCC6803とSynechococcus sp.PCC7942の脂質要求性の違い2009

    • 著者名/発表者名
      牧野渓史
    • 学会等名
      日本ゲノム微生物学会年会
    • 発表場所
      東京(後楽園)
    • 年月日
      2009-03-06
  • [学会発表] Biochemical analysis of a novel glycolipid from filamentous cyanobacteria2009

    • 著者名/発表者名
      Koichiro Awai
    • 学会等名
      Gordon Research Conference, Plant Lipids : Structure, M etabolism & Function
    • 発表場所
      米国(ガルベストン)
    • 年月日
      2009-02-02
  • [学会発表] Molecular identification of genes for galactolipid synthesis in cyanobacteria by co mparative genomic analysis.2008

    • 著者名/発表者名
      Koichiro Awai
    • 学会等名
      18^<th> International Symposium on Plant Lipids
    • 発表場所
      仏国(ボルドー)
    • 年月日
      2008-07-21
  • [備考]

    • URL

      http://www.ipc.shizuoka.ac.jp/~dkawai/

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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