研究概要 |
1 呼吸速度と酸素安定同位体を利用したAOXとシトクロム経路への電子分配の測定 東京大学・大学院農学生命科学研究科の佐々木治人准教授の管理の下にあるオンライン型酸素安定同位体比測定装置(酸素電極,ガスクロマトグラフィ,同位体質量分析計が組み込まれている)を用いて、呼吸速度とAOXとシトクロム経路への電子分配の測定のための予備実験を積み重ね、安定したデータを取得できるようにした。サンプルサイズが小さくても測定できるようにするために、気相部分が非常に小さいチェンバーを使えるようにした。また、この測定装置と平行して実験を行えるようにするために、呼吸速度の測定と気相のサンプリングができる装置を立ち上げた。サンプリングした酸素を二酸化炭素に変換し、その酸素安定同位体比を質量分析計で測定する。来年度には2つの装置で測定を行うこととした。 2 低リン酸環境下の植物の形態 低リン酸環境でクラスター根をつくるシロバナルーピンを栽培し、クラスター根を効率よく多量に形成する条件を設定できた。その低リン酸環境条件で栽培したクラスター根の構成コストや維持コストを求めるための基礎的な計算を行った。また、土壌が低リン酸環境であり、低リン酸環境に適応したクラスター根を形成する植物が多様にあることで有名なオーストラリア西オーストラリア州のパース近郊に同研究室の博士研究員を派遣し、低リン酸環境の土壌調査や特徴的な植物個体の調査を行った。
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