研究課題
申請者は先の研究で新規の青色光受容体AppAを紅色光合成細菌から単離している。この受容体は転写因子PpsRと光依存的に直接相互作用することがわかっている。申請等はこの光受容体が自己リン酸化することを最近明らかにしている。本研究ではこの自己リン酸化反応が生体内でどのような生理的意義を持つのかを明らかにすることを目的としている。これまでに作成した、AppA特有の光反応を示さなくなるY21F,およびQ63L変異体AppAは、明所でも暗所でも自己リン酸化反応を起こすことがわかった。このことからin vitroで観測されるリン酸化反応は、AppAの光に依存したタンパク質の構造変化に依存して起こると考えられた。また光依存的にPpsRと相互作用しなくなるW104A変異体は、WTと同様光に依存した自己リン酸化反応を起こすことがわかった。このことからAppA-PpsR間の相互作用にリン酸化反応は関与しないと考えられた。そこでAppAとリン酸化反応を介して相互作用しうるいくつかの制御系を調べた。その結果AppAは二成分制御系のセンサーキナーゼPrrBとリン酸化反応を介して相互作用している可能性が考えられた。現在その詳細を検討中である。またAppAのリン酸化部位を特定するべく実験を行った。AppAと構造上相同性のあるフォスフォキヤリアープロテインHprのリン酸化部位であるHisがAppAではT30に相当することがわかった。T30A変異体の自己リン酸化を調べたところその活性が無くなることがわかった。この結果からAppAの自己リン酸化サイトはT30であると考えられた。
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