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2007 年度 実績報告書

単子葉植物における葉の形態進化の遺伝的背景

研究課題

研究課題/領域番号 19770041
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

山口 貴大  基礎生物学研究所, 植物発生遺伝学研究部門, 助教 (60450201)

キーワード葉 / 発生 / 進化 / 単子葉植物 / 単面葉 / micro RNA / イグサ属 / 収斂進化
研究概要

単子葉植物における葉の形態進化を解明するために,葉の構造が一般的な葉(両面葉)とは大きく異なる「単面葉」の発生進化学的研究を行った.まず,単面葉の葉身は,遺伝子発現レベルでも完全に背軸側化した構造を持つこと,そしてそのような葉は,発生のごく初期に,背軸側運命を持つ領域が異所的に増殖することによって発生することを明らかにした.また,その進化には,small RNAによる遺伝子発現調節機構の改変が関与することを明らかにした.次に,多くの単面葉は,一般的な葉(両面葉)とは異なるしくみで,葉を平面成長させる機構を収斂進化させたこと,そしてそれは,両面葉で葉の中央部の細胞増殖を制御している転写因子がリクルートされることにより進化したことを明らかにした.さらに平らな単面葉では,葉の中央-周縁軸が,両面葉の場合と直交して分化することを利用して,その発生・分化機構を解析した結果,葉の中央-周縁軸は,平らな葉が形成されるとその形に依存して自律的に分化することを示した.また,単面葉解析のモデルとして,研究材料として扱いやすく,葉の形態が多様なイグサ属植物に着目し,両面葉あるいは単面葉を持つ複数の種で,形質転換に向けたカルス化および再分化系を構築するとともに,遺伝学的研究に向けた突然変異体の単離系を開発した.さらに,分子系統解析および葉の構造の組織学的解析によりイグサ属植物における葉の形態進化パターンを解析し,単面葉は不可逆的で少数のイベントにより進化したこと,また単面葉の横断面は丸い形が祖先形質であり,平らな単面葉は,丸い単面葉から何度か繰り返し進化したことを明らかにした.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Evo-Devo of leaf shape control with a special emphasis on unifacial leaves in monocots.2007

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Yamaguchi and Hirokazu Tsukaya
    • 雑誌名

      Korean J. Pl. Taxon. 37

      ページ: 351-361

    • 査読あり
  • [学会発表] イグサ属植物における単面葉の発生進化機構の解明2008

    • 著者名/発表者名
      山口貴大,塚谷裕一
    • 学会等名
      第49回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2008-03-20
  • [学会発表] 単面葉発生機構の分子遺伝学的解析2007

    • 著者名/発表者名
      山口貴大,塚谷裕一
    • 学会等名
      日本植物学会第71回大会
    • 発表場所
      野田
    • 年月日
      2007-09-07
  • [学会発表] 単子葉植物における,単面葉の発生機構と,葉の極性制御因子の機能分化2007

    • 著者名/発表者名
      山口貴大,塚谷裕一
    • 学会等名
      日本植物形態学会第19回大会
    • 発表場所
      野田
    • 年月日
      2007-09-06
  • [備考]

    • URL

      http://www.nibb.ac.jp/sections/tsukaya.html

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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