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2008 年度 実績報告書

シクリッドフェロモンとその認知に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19770056
研究機関東京工業大学

研究代表者

二階堂 雅人  東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (70432010)

キーワードシクリッド / 種分化 / 嗅覚 / V1R型嗅覚受容体 / ビクトリア湖
研究概要

本研究の最終的な目標は、生物多様性の根幹となる「種分化」が、フェロモン受容を始めとする「嗅覚コミュニケーション」で達成されている可能性を分子レベルで明らかにすることである。前年度の研究において、魚類ゲノム中に6コピー存在するV1R型嗅覚受容体遺伝子のうちV1R2のアリルがビクトリア湖産シクリッドのグループで多様化していることを明らかにしたので、本年度はこの遺伝子に着して解析を進めた。
ビクトリア湖産シクリッド1種20個体に関してV1R2の遺伝子コード領域およびその周辺配列を計5Kbp決定し、塩基多様度piのsliding window解析およびTajima's Dの算出をおこなったところ、V1R2タンパク質コード領域に加えて非コード領域も非常に多様化していることが分かった。この事はV1R2に強い平衡淘汰圧が働き、さらにその近傍領域がヒッチハイクされた形でタンパク質コード領域と同様の多様化を見せていると考えられた。またV1R2に関してアフリカ3大湖産シクリッドで分子系統樹を作成したところ、明らかな種間多型が検出され、この遺伝子に平衡淘汰圧が働いたことを強く示唆した。さらにこの多様なアリルを持つV1R2遺伝子が単一遺伝子座であること、さらには嗅上皮で発現することなどを確認し、現在は論文を作成しているところである。V1R2嗅覚受容体遺伝子にこのような強い自然選択圧が働いていることは、嗅覚コミュニケーションがシクリッドの進化の上で非常に重要な役割を果たしている強固な証拠となるだろう。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 歯鯨亜目の単系統性に関するこれまでの研究とSINE法によるその再検証2008

    • 著者名/発表者名
      二階堂雅人、Ohver Piskurek、岡田典弘
    • 雑誌名

      統計数理 56

      ページ: 117-131

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Chronology of the extant African elephant species and case study of the species identification of the small African elephant with the molecular phylogenetic method.

    • 著者名/発表者名
      Murata Y, Yonezawa T, Kihara I, Kashiwamura T, Sugihara Y, Nikaido M, Okada N, Endo H, Hasegawa M.
    • 雑誌名

      GENE (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Conserved repertoire of orthologous vomeronasal type 1 receptor genes in ruminant species. BMC Evol. Biol.

    • 著者名/発表者名
      Ohara H, Nikaido M, Date-Ito A, Mogi K, Okamura H, Okada N, Takeuchi Y, Mori Y, Hagino-Yamagishi K.
    • 雑誌名

      BMC evolutionary biology (In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] シクリッド嗅覚受容体V1R2遺伝子において観察された大規模な種間多型2008

    • 著者名/発表者名
      二階堂雅人、平田直、相原光人、溝入真治、山岸公子、岡田典弘
    • 学会等名
      第10回日本進化学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-08-25

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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