食草の違いだけで生殖的に隔離されていることが予想されているルイヨウマダラテントウおよびヤマトアザミテントウの2種(集団)について、マイクロサテライトマーカーを設定し、集団内多型および種間の遺伝的分化の解析を行なった。その結果、設定した8つのマイクロサテライト遺伝子座のうち、少なくとも3つの遺伝子座で多型が認められたが、何れもアリル多型の程度が非常に小さく、かつ集団間における顕著な遺伝分化は認められなかった。このことは、両集団がごく最近、極めて短時間のうちに分化を遂げたため、食草選択に関わる遺伝子の変異以外、ゲノム間の遺伝分化がほとんど生じてないことを示唆する。
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