• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

アカガエル上科の分子系統地理学的研究:ゴンドワナ超大陸の分断と無尾類分岐の相関

研究課題

研究課題/領域番号 19770064
研究機関広島大学

研究代表者

倉林 敦  広島大学, 大学院・理学研究科, 助教 (00327701)

キーワードゴンドワナ大陸 / 系統地理 / アカガエル上科 / ヒメアマガエル科 / マダガスカルガエル科 / ミトコンドリアゲノム / 協調進化 / 相同組換え
研究概要

ゴンドワナ大陸起源と考えられ、現在の大陸を跨いで分布する無尾両生類の系統関係と分布パターン形成様式、および、ミトゲノムの分子進化の解明を目的として研究を行った。本年度は、(1)カエルサンプルの収集、(2)アカガエル・ヒメアマガエル科の核遺伝子の増幅、(3)アカガエル上科のミトゲノム部分領域の解析を行った。(1)に関しては、マレーシア産で、ヒメアマガエル科の中でも分類学的・系統学的位置が不明なPhrynella属と属自体の所属が不明なサンプルを京都大学・松井正史教授から提供頂いた。これらについては、海外研究グループと競争になっており、早急に解析を進める必要がある。(2)については、アカガエル・ヒメアマガエル科の代表約30種から、5種類の核遺伝子RAG-1・RAG-2・BDNF・Rhodopsin・NCX-1の増幅に成功した。(3)については、アカガエル上科の中で、系統的位置に問題があるMicrixalidae科とNictybatrachidae科の間で、共有派生的なミトゲノムの遺伝子配置変化があることを明らかにした。さらに、マダガスカルガエル科の中では、ミトゲノムに非常に激しい構造変化があることが分かった。さらに、このミトゲノムの構造変化の中でも、コントロール領域の協調進化は、相同組換えのメカニズムでしか説明できないことを示した。動物ミトゲノムにおいて頻繁に見られるコントロール領域の協調進化の分子メカニズムについては議論があったが、本研究で、その主たるメカニズムは、複製停止時に高頻度で相同組換えが生じることであると結論できた。この成果については、Mol. Biol. Evol. 誌(25巻874-891頁)に発表した。また、昨年度明らかにしたアフリカ産サエズリガエル上科の系統関係とミトゲノムの分子進化について、第六回国際爬虫両生類会議にて発表を行った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Phylogeny, recombination, and mechanisms of stepwise mitochondrial genome reorganization in mantellid frogs from Madagascar2008

    • 著者名/発表者名
      倉林敦
    • 雑誌名

      Molecular Biology and Evolution 25

      ページ: 874-891

    • 査読あり
  • [学会発表] Primers for Neobatrachian mtDNAs, mt Genomic Structures in Afrobarachians, and Ranoid Phylogeny2008

    • 著者名/発表者名
      倉林敦
    • 学会等名
      6^<th> World Congress of Herpetology
    • 発表場所
      ブラジル・マナウス
    • 年月日
      20080817-22

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi