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2009 年度 実績報告書

アカガエル上科の分子系統地理学的研究:ゴンドワナ超大陸の分断と無尾類分岐の相関

研究課題

研究課題/領域番号 19770064
研究機関広島大学

研究代表者

倉林 敦  広島大学, 大学院・理学研究科, 助教 (00327701)

キーワード分子系統地理 / ゴンドワナ大陸 / 無尾両生類 / 分岐年代解析 / ミトゲノム / 遺伝子配置 / アカガエル科 / ヒメアマガエル科
研究概要

大陸を跨いで分布するカエル類の系統関係と分布パターン形成様式、および、ミトゲノムの分子進化の解明を目的として研究を行った。本年度は、まず、ヒメアマガエル科・8亜科から25種とアカガエル上科の3科5種について、6つの核遺伝子およそ5.7kbpのシークエンスを行った。このデータから、これまでに分類学的位置が不明なPhrynella属(マレーシア産)は、アジア産のヒメアマガエル亜科に属するが、同じく系統学的位置が不明であったGastrophrynoides属(同じくマレーシア産)については、オーストラリアヒメアマガエル亜科に含まれることが分かった。これまでに両亜科はインドとオーストラリアが地理的に分断された、およそ8000万年前に系統的に分岐したと考えられていたが、本属の存在によって、この考えは改編を求められる可能性が出てきた。現在、核遺伝子データに基づく詳細な系統解析と分岐年代解析の実施を準備中である。次に、ヒメアマガエル科とアカガエル科のミトゲノム部分領域の解析を行った。まず、ヒメアマガエル科のいくつかの種では、遺伝子配置が変化していることを発見したが、その多くは固有派生形質であり、系統解析のマーカーとして使えないことが分かった。一方、アカガエル科でも、多くの属で大規模な遺伝子配置変化が見られ、これらの変化は属間の系統マーカーとして有用であることが明らかとなった。さらに、アカガエル科のミトゲノムの観察から、ミトゲノムにおいてレトロトランスポジション様の遺伝子配置変化機構が働いている可能性が示唆した。後者の成果については、Mol.Phylogenet.Evol.誌で印刷中である。また、真カエル亜目のミトゲノムの全長を簡単に増幅できるプライマーを開発したので、Current Herpetol.誌(28巻1-11ページ)に発表した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Complete mitochondrial DNA sequence of the endangered frog Odorrana ishikawae (family Ranidae) and unexpected diversity of mt gene arrangements in ranids2010

    • 著者名/発表者名
      倉林敦, (他6名)
    • 雑誌名

      Molecular Phylogenetics and Evolution (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] PCR Primers for the Neobatrachian Mitochondrial Genome2009

    • 著者名/発表者名
      倉林敦, (他1名)
    • 雑誌名

      Current Herpetology 28

      ページ: 1-11

    • 査読あり
  • [学会発表] 無尾両生類の系統学の現在:高次系統・系統地理・DNAバーコーディング・ミトゲノムの進化2009

    • 著者名/発表者名
      倉林敦
    • 学会等名
      第11回日本進化学会大会(ワークショップ・脊椎動物の高次系統と分子進化)
    • 発表場所
      札幌市
    • 年月日
      2009-09-03
  • [学会発表] 動物ミトコンドリアゲノムの分子進化メカニズム:マダガスカルガエル科で観察された大規模なゲノム再編成に基づく新たなモデルの提唱2009

    • 著者名/発表者名
      倉林敦, (他5名)
    • 学会等名
      第11回日本進化学会大会(一般発表)
    • 発表場所
      札幌市
    • 年月日
      2009-09-03
  • [備考]

    • URL

      http://home.hiroshima-u.ac.jp/~amphibia/sumida/sb.cgi?cid=4

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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