研究概要 |
平成20年度は, ハワイ諸島とイースター島周辺水域のフサカサゴ属の分類学的研究を中心に行った. ハワイ諸島にはS. colorata Gilbert, 1905とS. pele Eschmeyer & Randall, 1975, イースター島にはS. orgila Eschmeyer & Allen, 1971とS. pascuensis Eschmeyer & Allen, 1971が知られており, タイプ標本を含む標本解析の結果, これらの名義種は全て有効種であることが分かった. ただし, 従来フサカサゴ属と考えられていたS. pascuensisなマダラフサカサゴ属に帰属させるのが妥当であると判断した. また, ネッタイフサカサゴ属のインド・太平洋規模での研究を進めた結果, 2未記載種 (インド・太平洋広域分布種とポリネシアの固有種)の存在が明らかになった. さらに, 平成19年度に実施したオーストララシア産フサカサゴ属の研究で, 予想を上回る数の未記載種が発見されたが, これらの未記載種を新種として記載するための準備も継続して行った. 本年度の対象魚種については, 各種の地理的変異, 成長による形態変化, 性的二型, および分布域が明らかになった. 研究の過程で得られた新知見は随時論文として公表した.
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