• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

単細胞接合藻ヒメミカヅキモの性フェロモンによる生殖隔離機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19770068
研究機関日本女子大学

研究代表者

土金 勇樹  日本女子大学, 理学部, 学術研究員 (20434152)

キーワード種分化 / 生殖隔離 / 性フェロモン / 緑藻 / 有性生殖 / 接合藻
研究概要

+型,-型の接合型(性)を持つヘテロタリックなヒメミカヅキモには,生殖的に隔離された複数の交配群が存在する。交配群IEは,他の交配群(IIA,IIB)と生殖的に隔離されており,その性フェロモン(PR-IPおよびPR-IP Inducer)も交叉活性を示さない。また、交配群IIAの+型細胞と交配群IIBの-型細胞の掛合わせでは接合が見られるものの,逆の掛合わせでは接合が見られない。このように非対称な生殖隔離関係にある交配群から有性分裂誘導活性を示す培地を調製し,もう一方の交配群に対する交叉活性を試験したところ,交配群IIAの-型細胞が放出する性フェロモン(交配群IEのPR-IPに相当)のみが,交配群IIBの+型細胞にほとんど作用出来ないことが判明した。
更に、交配群IIA,IIBより,2種の性フェロモン相同遺伝子を単離し,発現解析を行なったところ,性特異的な発現パターンは交配群間で共通してみられた。また,両者の配列を比較したところ,PR-IP Inducer遺伝子については高い相同性が示された(95.1%)が,PR-IP遺伝子の19kDaサブユニット遺伝子ではコードする129個のアミノ酸残基のうち,22個が異なっていた(82.9%)。これらの結果より,交配群IIAのPR-IPを交配群IIBの+型細胞が,認識できなくなることで,非対称な生殖隔離が起こったことが示唆された。
また、現在系統保存されている株は、30年以上前に単離されたものである。そのため、現時点で交配能をもたないものもあり、生理学的な実験を行なえない交配群も存在する。本研究ではこれまでに、埼玉、長野、茨城、沖縄、台湾、バリ(インドネシア)から、ヒメミカヅキモの単離培養に成功している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 接合藻ヒメミカヅキモの非対称な生殖隔離に関わる性フェロモン2008

    • 著者名/発表者名
      土金勇樹・山崎華奈子・伊藤元己・関本弘之
    • 学会等名
      日本藻類学会第32回大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20080300
  • [学会発表] 接合藻ヒメミカヅキモの性フェロモンによる生殖隔離2007

    • 著者名/発表者名
      土金 勇樹・伊藤 元己・関本 弘之
    • 学会等名
      日本植物学会71会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20070900
  • [学会発表] ホモタリックな接合藻ヒメミカヅキモの有性生殖機構2007

    • 著者名/発表者名
      土金 勇樹・大滝 知子・中原 千春・佐藤 真知子・野崎 久義・伊藤 元己・関本 弘之
    • 学会等名
      日本植物学会71会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20070900
  • [学会発表] ヒメミカヅキモの有性生殖過程のタイムラプス解析2007

    • 著者名/発表者名
      佐藤真知子・土金勇樹・関本弘之
    • 学会等名
      日本植物学会71会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20070900
  • [図書] 「8.4 免疫応答の利用」, 『細胞生物学実験の操作法』(野村浩二 編著)2007

    • 著者名/発表者名
      土金勇樹・関本弘之
    • 総ページ数
      137-140
    • 出版者
      朝倉書店
  • [備考]

    • URL

      http://web.mac.com/tsuchikane_01/tsuchikane_yuki/home.html

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi