研究課題
若手研究(B)
感染症などの医学研究、創薬などの薬学研究において、哺乳類実験動物、特に霊長類はヒトと遺伝的に非常に近く、重要な位置を占める.ところが、医薬学の実験にサル類の遺伝的多様性がどのような影響を及ぼすかは全くの未知数である.また、これらの実験用霊長類のなかにどれだけの種間・種内の遺伝的多様性があるのかもはっきりとはわかっていないのが現状である.これらを明らかにするため、マカク属の中でも実験用霊長類としてメジャーなアカゲザルとカニクイザルの個体より得られたDNAの多型解析を行った.その結果、1)カニクイザルの遺伝的多様性は現生人類よりも4-5倍高い値を示す、2)カニクイザルとアカゲザルでは、種がわかれた後に遺伝子交流があったかもしれない、3)薬剤代謝にかかわる遺伝子のいくつかは種間の遺伝子での分化度が非常に高い、ということが示された.
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