研究課題
本研究では、Rabのグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)とGDI(GDP解離阻害因子)解離因子(GDF)の結晶構造決定によって、これら二つの因子によるRabの活性化機構を原子分解能レベルで解明することを目的とした。昨年度は、酵母のRab(Sec4p)とそのGEFであるSec2pについて、Sec2p GEFドメインとヌクレチド非結合型Sec4p複合体の結晶構造を2.7Å分解能で決定し、GEFによるRabの活性化機構を原子分解能で明らかにした。今年度は、Sec2p GEFファミリーの特異性獲得の機構を明らかにすべく、ほ乳類のSec2pホモログであるRabin3およびGRABとRabとの複合体の結晶化を試みたが、結晶は得られなかった。一方、RabGDFであるYipタンパク質については、出芽酵母由来の6種類のYipタンパク質のうち、イントロンを含むYip3pと5' 側に報告とは異なる配列を含むYip2p以外の4種類の遺伝子をクローニングし、メタノール資化性酵母Pichia pastorisを用いた発現系を構築した。DTTとLi_2SO_4で細胞を処理することにより形質転換効率を上げ、Yip1pについて、2g/LのZeocin存在下で生育することが可能な形質転換体を得た。17の形質転換体に対してメタノール添加による発現誘導を行い、膜画分を調製してC末端に付加したHis_6タグに対する抗体をもちいたウエスタンブロッティングによる発現の確認を行ったが、発現を確認することはできなかった。そこで、GFP融合タンパク質をつかった発現を試みたところ、N末端にGFPを付加したコンストラクトで膜画分への発現をGFPの蛍光により確認することができた。
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Nature 455
ページ: 988-991
ページ: 358-362