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2008 年度 研究成果報告書

膜結合型ATP依存性メタロプロテアーゼFtsHのX線結晶構造解析

研究課題

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研究課題/領域番号 19770079
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 構造生物化学
研究機関東京工業大学

研究代表者

寿野 良二  東京工業大学, 資源化学研究所, 特別研究員 (60447521)

研究期間 (年度) 2007 – 2008
キーワードタンパク質 / 酵素 / X線結晶構造解析 / プロテアーゼ
研究概要

FtsHやプロテアソームなどのATP依存性プロテアーゼの共通した分子メカニズムにおいて未解決で本質的な疑問は、「ATP依存性プロテアーゼはいったいどのようにして基質を連続的に内部に送り込んでいるのだろう?」ということである。この問題を理解するためにはその酵素の構造を決定することが有効な手段である。これまで申請者らのグループではFtsHの「形」に着目し、FtsHのATPaseドメインや六量体プロテアーゼドメイン、六量体細胞質ドメインの構造を決定してきた。本研究ではFtsHの「動き」に着目する。具体的には(1)様々なヌクレオチド結合状態のFtsH細胞質ドメインのX線結晶構造解析、及び(2)FtsHの全体構造のX線結晶構造解析を行う。これらの構造情報を元にFtsHの基質をとりこむ動きや基質の通り道を明らかにし、上述の疑問の答えを導き出したい。
(1)全長FtsHやFtsHの細胞質ドメインにおいて、様々な条件から結晶が得られた。これらの結晶の条件をさらに詰めて良質な結晶の作成を試みた。特に全長FtsHは膜タンパク質であるので、界面活性剤の条件検討や抗体を用いた結晶化などを行って良質な結晶作成を試みた。現在までのところ、それらの結晶を放射光施設でX線回折実験を行ったが、構造解析可能な分解能データには至っていない。引き続き、結晶の質の向上を目指して条件検討を行う。
(2)FtsHの基質とりこみ機構に関する変異体解析申請者が決定したFtsH構造によって基質の通る径路が予測でき、基質の結合部位やとりこみに重要と考えられるループ構造の存在が確認された。一昨年度はそれらの領域付近での様々な変異体を作成し、活性の変化から基質送り込みやATP依存的な基質分解における重要性を検討し、興味深い知見を得た。昨年度からそれらの結果をまとめ、論文投稿準備中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] AA+プロテアーゼFtsHのタンパク質分解メカニズム2008

    • 著者名/発表者名
      寿野 良二、吉田 賢右
    • 雑誌名

      実験医学増刊「細胞内の輪廻転生蛋白質の分解機構」 vol.26 No.2

      ページ: 214-221

  • [雑誌論文] 「ATP依存性プロテアーゼ」、「トリガー因子」2008

    • 著者名/発表者名
      寿野 良二
    • 雑誌名

      「FtsH」蛋白質核酸酵素 増刊号 「キーワード : 蛋白質の一生」 Vol.53 No.8

      ページ: 897-1114

  • [雑誌論文] The substrate-translocating mechanism of membrane-binding ATP-dependent protease FtsH2007

    • 著者名/発表者名
      Ryoji Suno, Masasuke Yoshida, Kosuke Morikawa
    • 雑誌名

      SPring 8 research frontiar 2007

  • [学会発表] 好熱菌のClpP結合型ClpB変異体2008

    • 著者名/発表者名
      中崎 洋介、寿野 良二、吉田 賢右、渡辺 洋平
    • 学会等名
      日本生化学会 (ポスター発表
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20081209-12
  • [学会発表] ATP依存性プロテアーゼのmobile領域の役割2007

    • 著者名/発表者名
      寿野 良二、下立 夏香、下山真和、吉田賢右
    • 学会等名
      日本生物物理学会,
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20071221-23

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公開日: 2010-06-10   更新日: 2016-04-21  

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