研究課題
ユビキチン-プロテアソームタンパク質分解経路は細胞内の不要タンパク質を特異的に分解することで細胞周期の制御やタンパク質の品質管理を行っている。そして、SCF^<Fbs1>はヘテロ四量体を形成し小胞体内における小胞体関連分解系において糖タンパク質の品質管理のため、立体構造異常タンパク質や余剰サブユニットにユビキチンを付加し分解系へと導いている。これら友応機構の理解とSCF^<Fbs1>の機能解明を目指し、Skp1-Fbs1複合体、Fbs1の糖鎖認識ドメインと糖タンパク質(リボヌクレアーゼB)の結晶化を行い、それぞれ2.4A、2.7A分解能で立体構造を決定した。SKp1-Fbs1複合体はL字型の立体構造をとり、基質認識サブユニットであるFbs1は糖タンパク質結合領域と反対側でSkp1と結合しており、この立体構造を基に作製したSCF^<Fbs1>複合体モデルより糖タンパク質に対するユビキチン化においてSCF^<Fbs1>は他のSCF型ユビキチンリガーゼと同様の反応機構によりユビキチン化を行っていることが示唆された。さらに、Fbs1の糖鎖認識ドメインとリボヌクレアーゼB複合体構造から、高マンノース型糖鎖とFbs1の結合様式が明らかとなり、SCF^<Fbs1>は糖タンパク質との結合において、糖鎖領域を特異的に認識しており、タンパク質領域の認識は全接触面積の30%程度であった。この糖鎖構造による標的タンパク質の識別はSCF^<Fbs1>が小胞体関連分解においで非特異的な不要糖タンパク質を分解するために、非常に合理的なものであると考えられる。また、糖鎖の認識においてFbs1は糖鎖の根元部分を認識しており、これにより標的となる糖タンパク質の向ぎを固定しユビキチンの付加を効率よく行っていることが考えられる。
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