分子量1300万ダルトンの巨大粒子ボルトの立体構造決定

2008 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19770082
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 構造生物化学
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 田中 秀明 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (40346169)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2008
• キーワード: vault / X線結晶構造解析 / 自然免疫

研究概要

本研究において、ボルト(vault)粒子の回転対称が39回回転対称であることを明らかにした。この事実に基づいて構造解析を進めることで3.5 A分解能でボルト粒子外殻の全体構造を決定することに成功した。粒子外殻は78個のMVP (Major Vault Protein)で形成されており、粒子長軸が約670Å、胴体部分の最大直径が約400Åであった。MVPには12個のドメイン構造があり、そのうちの1つが脂質ラフトへの結合に重要であるとされるストマチンと非常によく似た構造を持つことが明らかになった。これにより、ボルトが脂質ラフトに結合する可能性を示すことができた。

研究成果

• [雑誌論文] The structure of rat liver vault at 3.5 Angstrom resolution (2009)
  • 著者名/発表者名: Tanaka H, Kato K, Yamashita E, Sumizawa T, Zhou Y, Yao M, Iwasaki K, Yoshimura M and Tsukihara T
  • 雑誌名: Scinence 323 ページ: 384-388
  • 査読あり
• [雑誌論文] A vault ribonucleoprotein particle exhibiting 39-fold dihedral symmetry (2008)
  • 著者名/発表者名: Kato K, Tanaka H, Sumizawa T, Yoshimura M, Yamashita E, Iwasaki K and Tsukihara T
  • 雑誌名: Acta Crystallogr D Biol Crystallogr. 64 ページ: 525-531
  • 査読あり
• [学会発表] X-ray structure of the vault purified from rat liver. (2008)
  • 著者名/発表者名: 田中秀明、加藤公児、住澤知之、山下栄樹、吉村政人、周勇、姚閔、岩崎憲治、月原冨武
  • 学会等名: 日本製物物理学会
  • 発表場所: 福岡県福岡市(福岡国際会議場)
  • 年月日: 20081203-05
• [学会発表] Structure of vault purified from rat liver (2008)
  • 著者名/発表者名: Kato K, Tanaka H, Sumizawa T, Yamashita E, Yoshimura M, Zhou Y, Yao M, Tanaka I, Iwasaki K and Tsukihara T
  • 学会等名: IUCr (International Union of Crystallography) 2008
  • 発表場所: 大阪府大阪市(大阪国際会議場)
  • 年月日: 20080823-28
• [学会発表] The structure of melon necrotic virus determined at 2.8 A resolution (2008)
  • 著者名/発表者名: Wada Y, Tanaka H, Yamashita E, Ichiki-Uehara T, Omura T and Tsukihara T
  • 学会等名: IUCr (International Union of Crystallography) 2008
  • 発表場所: 大阪府大阪市(大阪国際会議場)
  • 年月日: 20080823-28
• [備考] ボルトのイメージ図、ムービーなど(公開)
  • URL: http://www.protein.osaka-u.ac.jp/crystallography/mvp/
• [備考] ボルトに関する報道試料など(非公開)
  • URL: http://www.protein.osaka-u.ac.jp/olabb/tsukihara/houdou/