研究概要 |
(1)in vivoでのMMRの生理作用や移植免疫への影響を調べることを目的とするため、遺伝的背景をC57BL/6近交系と同一にしたMMR2遺伝子破壊マウスの作成をしている。C57BL/6マウス由来の胚盤胞へ遺伝子破壊ES細胞(12 9sv系統)を導入したキメラマウスをもとに、C57BL/6マウスとの戻し交配を進め、10世代の掛け合わせにより、コンジェニック化を図った。 (2)移植に用いる、ドナーのH-2D^d及びH-2K^d単独発現腫瘍細胞及び、H-2D^d及びH-2K^dTgマウス、H-2D^d・H-2K^dTgマウス(C57BL/6近交系)を樹立した。又、移植片の抗原量と拒絶反応時期の関係、MHC class 1分子の認識について、野生型マウス(C57BL/6)へのドナーのH-2D^d・H-2K^d単独発現腫瘍細胞及び、H-2D^d・H-2K^dTgマウス皮膚の移植を用いて検討した。その結果、移植拒絶反応は、相違する抗原量に依存するのではなく、相違する抗原の領域数に依存することが示唆された。英論文として専門誌に公表した。 (3)マウスMMR1・2は、自己MHCのH-2D^d, H-2K^dと結合することから、マウスMMR2のヒトホモログとして単離されたヒトMMR1 cDNAをタンパクとして強制発現させ、HLAとの結合試験を行った。結果、この受容体分子のリガンドHLAの1つがHLA-B44(HLA-B44グループ)である可能性が示唆され、ヒトMMR1はマウスと同様にMHCに対する結合能が示された。
|