臓器移植では、拒絶反応の制御のために免疫抑制剤が用いられる。しかし長期に用いられる為、非特異的免疫抑制や、遅発性の移植臓器障害などの副作用が見られる。移植医療の向上のためには、移植臓器に対する拒絶反応を副作用なく特異的に制御する必要がある。我々は、アロ移植片拒絶に関わるマクロファージ上に、アロ抗原を識別する新規受容体Macrophage MHC receptor1(MMR1)とMMR2を同定した。本研究は、この新規分子の、アロ抗原識別の分子機構を明らかにすることを目的としている。この解析のために、以下の点を研究期間(平成19~22年)に計画している。 (1) ノックアウト(KO)マウスを作成し、遺伝子欠損の影響を観察する事で、新規分子MMRの、in vivoでの機能と役割を明らかにする。 (2) MMR1・MMR2のヒトホモログ(ヒトMMR1・2)を単離し、機能を解析する。 (3) MMR1・MMR2のアロ抗原識別の制御法を確立する。
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