研究概要 |
細菌べん毛モーターは細胞膜に埋まった巨大な膜上生物機械であるが, 流動性に富んだ生体膜上でどのように構築されるのかは分かっていない.本研究はモーター構成素子を蛍光標識し直接観察することで, 巨大タンパク質複合体が流動性に富んだ生体膜上で構築される過程を明らかにすることを目的としている. さらに平成19年度の研究において, GFP融合タンパク質発現の光槌色後蛍光回復(FRAP)実験によって, 機能的なモーターにおいて, 回転子構成タンパク質が交換されることを示唆するデータを得た. この現象は当初の研究計画には含まれていない事項であるが, 本申請課題研究にて発見されたまったく新しい事実であり, 生体内における巨大分子複合体の構築および維持を理解する上で重要な知見となり得る. そこで平成20年度の研究は, 回転子構成タンパク質の交換反応について重点的に研究を進めた. 研究成果として以下が挙げられる. 1. 光槌色後蛍光回復(FRAP)による回転子構成タンパク質の交換反応の検出条件の確立 2. 回転子構成タンパク質の交換頻度の解析 3. べん毛モーター構成因子のGFP融合タンパク質の拡散運動の解析システムの構築 4. GFP融合タンパク質の細胞膜内における拡散運動の解析
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