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2007 年度 実績報告書

発生過程における熱ショック転写因子群の転写制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 19770148
研究機関山口大学

研究代表者

藤本 充章  山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80359900)

キーワード熱ショック転写因子 / レンズ / 転写 / 発生過程
研究概要

本研究では、発生過程のHSF群の転写制御機構を明らかにするのを目的としている。そこで、発生過程におけるHSF群の発現変化、さらにin vivoにおけるHSF4の結合配列を同定し、HSF群の親和性の違いや結合領域周辺に存在する遺伝子の発現制御について検討を行った。マウス胎生期にはすべてのHSFが高発現しているが、HSF1とHSF2は出生後から極端に発現が低下し、HSF4の発現は成体に至るまで持続した。次に、生後2日目のレンズ上皮細胞株を作成してChIP解析を行い71箇所の結合領域を同定した。そのうち、58領域は生後2日目のレンズを用いたChIP解析で結合を確認し、このうち17領域はどの発生時期もHSF4のみが結合した(A群)。一方、41領域はHSF1あるいはHSF2の結合も認められ、生後2日目にすべてのHSFが結合するも、HSF4とHSF1が結合するもの、HSF4とHSF2が結合するものに分かれた(B群)。A群は、近傍の遺伝子から10kb以上離れた領域(intergenic loci)に存在する傾向があり、B群は、intergenic lociとプロモーターを含む遺伝子領域にともに存在した。HSF4を欠損するレンズにおける近傍遺伝子の発現を調べた所、A群は全く遺伝子発現に変化がなかった。興味深いことに、B群のうち9個の遺伝子の発現亢進、又は低下を認めた。それらの遺伝子の中で、HSF結合領域はイントロン領域に存在する傾向を強く認めた。以上の結果から、HSF群は発生過程で協調的制御を行うこと、さらにHSF4がユニークな機能を有する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Heat shock transcription Factor 1 is required for maintenance of ciliary beating in mice2007

    • 著者名/発表者名
      Eiichi Takaki
    • 雑誌名

      The Journal of biological Chemistry 282

      ページ: 37285-37292

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Heat shock transcription Factor 1 opens chromatin structure of interleukin-6 Promoter to facilitate binding of an activator or a repressor2007

    • 著者名/発表者名
      Sachiye Inouye
    • 雑誌名

      The Journal of biological Chemistry 282

      ページ: 33210-33271

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Genetic evidence for a protective role for heat shock factor 1 and heat shock protein 70 against colitis2007

    • 著者名/発表者名
      Ken-Ichiro Tanaka
    • 雑誌名

      The Journal of biological Chemistry 282

      ページ: 23240-23252

    • 査読あり
  • [学会発表] 熱ショック転写因子HSF4が認識するDNA結合配列の同定2007

    • 著者名/発表者名
      藤本 充章
    • 学会等名
      日本分子生物学会・日本生化学学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-12-12

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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