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2007 年度 実績報告書

単一細胞アポトーシス誘導・検出系の開発とそれを利用した血管石灰化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19770163
研究機関東京大学

研究代表者

木原 隆典  東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任助教 (90436535)

キーワードナノ針 / 原子間力顕微鏡 / アポトーシス / 血管石灰化 / 単一生細胞内酵素活性 / MPCポリマー / FRET型センサー分子
研究概要

本研究ではアポトーシスという細胞レベルの現象がいかにして石灰化という組織レベルの現象,特に血管の石灰化に結びつくのか検討すると共に,血管の石灰化メカニズムの解明を目指すことを目的としている.平成19年度はこのアポトーシスという細胞レベルの現象を単一細胞レベルで検出するための手法の構築を目指し,必要な基盤技術の開発を行った.
通常アポトーシスの検出はDNAの断片化あるいはcaspase-3の活性を検出することで行うが,これらは生細胞での検出を目的としていない.そこで,細胞-特に正常細胞-を培養しながら単一細胞でのアポトーシスを検出する方法の開発が必要となる.生細胞内でのcaspase-3の検出を行うため,AFMとナノ針を用いた低侵襲細胞操作技術を利用した.この技術は正常な細胞内にナノ針を低侵襲に挿入することで細胞内の現象を針表面上の反応としてとらえることが出来る技術である.
caspase-3の検出と細胞操作技術を組み合わせるためにはナノ針上でaspase-3の検出システムが安定に機能するための表面処理技術を開発する必要がある.ナノ針表面での酵素反応の反応場として細胞膜上にあるフォスファチジルコリンの類似構造体ポリマーであるMPCポリマーを用いた.MPCポリマーを用いることで,細胞内でナノ針が様々な分子と非特異的な相互作用をすることを抑制し,かつ酵素反応を行うための反応場が提供されることがわかった.
また,ナノ針表面で反応するためのcaspase-3の検出系として大腸菌で合成したタンパク質にAlexa蛍光色素をin vitroで修飾した新しいFRET型のcaspase-3センサー分子を構築し,それがナノ針上で正常に機能することを見出した.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Modulation of SRF-dependent gene expression by association of SPT16 with MKL12008

    • 著者名/発表者名
      KIHARA, Takanori
    • 雑誌名

      Experimental Cell Research 314

      ページ: 629-637

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ナノテクノロジーを用いた細胞操作2008

    • 著者名/発表者名
      三宅 淳
    • 雑誌名

      分死細胞治療 7

      ページ: 18-25

  • [雑誌論文] Nanoneedle surface modification with 2-methacryloyloxyethyl phosphorylcholine polymer to reduce nonspecific protein adsorptio2007

    • 著者名/発表者名
      KIHARA, Takanori
    • 雑誌名

      NanoBiotechnology 3

      ページ: 127-134

    • 査読あり
  • [学会発表] キメラ型FRETセンサー蛋白質の構築とカスパーゼ応答の評価2008

    • 著者名/発表者名
      木原 隆典
    • 学会等名
      日本化学会第88春季年会
    • 発表場所
      立教大学,東京
    • 年月日
      2008-03-29
  • [学会発表] In situナノプローブを用いたRNA解析2008

    • 著者名/発表者名
      木原 隆典
    • 学会等名
      日本化学会第88春季年会
    • 発表場所
      立教大学,東京
    • 年月日
      2008-03-27
  • [学会発表] Development of nanoprobe for inner cell function2007

    • 著者名/発表者名
      KIHARA, Takanori
    • 学会等名
      CNSI-CNBI Symposium on NanoBiotechnology
    • 発表場所
      UCLA, LA, USA
    • 年月日
      20071101-02
  • [学会発表] Surface modification of nanoneedle with 2-methacryloyloxyethyl phosphorylchorine (MPC) polymers for improving the biocompatibility with cell interior2007

    • 著者名/発表者名
      HIHARA, Takanori
    • 学会等名
      第45回生物物理学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜,神奈川
    • 年月日
      2007-12-21
  • [学会発表] Cell Surgery2007

    • 著者名/発表者名
      KIHARA, Takanori
    • 学会等名
      Swiss-Japan Symposium on Nanobio 2007
    • 発表場所
      The University of Tokyo, Tokyo
    • 年月日
      2007-10-11
  • [学会発表] MPC(2-methacryloyloxyethyl phosphorylchorine)ポリマーを用いたナノ針表面修飾効果の検討2007

    • 著者名/発表者名
      木原 隆典
    • 学会等名
      第59回日本生物工学会大会
    • 発表場所
      広島大学,広島
    • 年月日
      2007-09-25

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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