研究課題
我々は、タイトジャンクション(TJ)の裏打ち分子であるMUPP1とそのパラログであるPatjに対する結合因子として、アドヘレンスジャンクション(AJ)の細胞間接着因子であるnectinおよび極性形成の中心的な制御因子であるPar6を新たに見いだした。MUPP1/Patjとnectinとの結合はMMP1およびPatjがTJの形成過程で効率よくTJに局在するために必要であることを明らかにした。またMUPP1/PatjとPar6との結合は, Par6の直接のエフェクターであるaPKCとPar6との結合を競合的に阻害することを示し、上皮細胞極性形成過程における新たな分子制御機構の存在を示唆した。また、AJの裏打ちに局在する新規因子としてIQGAP3を同定し、これが上皮細胞の増殖において必要不可欠な機能を担っていることを見いだした。そしてその分子機構として、IQGAP3が細胞増殖の中心的な制御因子であるRasと結合し、その酵素活性を正に制御することでその機能を発揮していることを明らかにした。また、前年度からのスクリーニングによって同定してきたその他の新規の細胞間接着構造局在因子についても、引き続きその分子機能の解析を精力的に進めている。
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Mol. Cell. Biol 29
ページ: 2372-2389
Nat. Cell Biol 10
ページ: 971-978
http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/publications/tsukita2008-1/