申請者は、前年度までにセリンスレオニンキナーゼ Aktから低分子量Gタンパク質 Ralを介したシグナル伝達が増殖因子刺激による細胞膜の伸展に必須なシグナル経路であることを明らかにした。Ral は Rasの下流で機能するとされる一方で、AktはPI3キナーゼ(以下PI3-K)の下流で働く。そこで Ralの葉状仮足上での活性化はRas、PI3-Kどちらのシグナルが規定しているのかそれぞれのFRETプローブを用い調べた。またAkt 活性のPI3-K以外の制御機構を調査した。その結果ホスホリパーゼC がAkt活性の制御に関与する可能性を見出した。そこでホスホリパーゼCの活性をモニターするFRETプローブを作製し、Akt活性の空間制御の関係を調べた。
|