本年度は、日本晴を背景に持つ遅咲き変異体の解析を中心に研究を行った。 日本晴野生型と遅咲き変異体を自然日長下、長日条件下(14時間明期・10時間暗期)、短日条件下(10時間明期・14時間暗期)の3つの条件下で生育させ、開花までの日数を調査した。その結果、野生型では長日条件下で100日前後、短日条件下では60日前後で開花するのに対して、遅咲き変異体では長日条件下、短日条件下の両条件下で230日以上経過しても開花する事はなかった。しかし、自然日長下では150日程度で開花が認められた。この事から、遅咲き変異体は14時間以上の暗期が必要である事が明らかになった。また、遅咲き変異体では、これら3つの条件下での開花関連遺伝子の発現解析からHd3aの発現がすべての条件に置いて認められなかった事から、Hd3a自体に変異がある、あるいはその調節機構に変異がある可能性が認められた。野生型と変異体の間の葉の展開速度に差異は認められない事から、この変異体は新規な変異体である可能性が考えられた。
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