研究概要 |
オモダカSagittaria trifoliaのゲノムから(GT)_n配列モチーフを含むクローンを83個取得し,35クローンについてプライマーを設計した。その結果4組の多型検出可能なプライマー組を作成することができた。(AC)_6(AG)_5,(TC)_6(AC)_5ならびに(TC)_6(AC)_(10)の各配列モチーフについては計74クローンの配列に基づき51個のプライマーを設計し36個の増幅可能マーカーを得たが,予備実験において多型を検出することができなかった。(GT)_nのSSRマーカーを用いて,兵庫県のスルホニルウレア系除草剤(SU剤)に対して抵抗性を有すると考えられる集団と京都府のSU剤感受性集団における遺伝的変異を調査した。その結果,抵抗性集団において高い程度でクローン繁殖が行われていること,抵抗性集団は感受性集団と比較して必ずしも低い遺伝的多様性を示さないことが明らかとなった。SU抵抗性ならびに感受性集団から採集した各個体の抵抗性検定を地上部再生法により試みたが,オモダカでは成功しなかった。 イヌホタルイSchoenoscirpus juncoidesについてもSSRマーカーの作出を行った。(GT)_(11)配列モチーフを含むクローンを78個取得し,38組のプライマーを作成したところ,6組について良好な増幅を確認することができた。
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