イヌホタルイについて良好な増幅を確認できた8組のマイクロサテライト遺伝子座について、16個体を用いて多型性の検出能力を評価したところ、いずれの遺伝子座についても集団内、集団間量レベルにおいて多型を確認することが出来た。多くのマーカーでヘテロ接合が観察され、水田に自生するイヌホタルイ集団が他家受精を行っていることが推測された。本年度は京都府、滋賀県、兵庫県、大阪府および奈良県における計17集団から約300個体を収集し、育成した。幾つかの集団については発根法によるスルホニルウレア抵抗性の検定を行い、強程度ないし中程度の抵抗性を示す集団を確認した。特に、水田において個体群密度が低く抑えられている集団における抵抗性の出現が見られ、抵抗性生物型の顕在化のプロセスを詳細に把握する上で今後有用と考えられる事例を見出すことが出来た。オモダカについては、有効なマイクロサテライトマーカーの構築が困難であったため、AFLP法による遺伝的変異の評価を行うための予備実験.を行った。
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