イヌホタルイについて、SSRマーカーを13個作成した。近畿地方の21集団(計496個体)について、スルホニルウレア系除草剤(SU剤)に対する抵抗性を発根法および発色法により検定し、SSRマーカーを用いて遺伝的変異を検出した。21集団中、15集団においてSU剤抵抗性が確認された。遺伝的変異は、SU剤抵抗性集団において必ずしも低い値を示さず、同剤抵抗性の顕在化過程において除草剤の選択圧の存在下で遺伝的変異が維持される場合があることが示された。オモダカについては、5個のSSRマーカーを得ることが出来た。13集団303個体について同マーカーによる解析を行った結果、集団間でクローン多様度に顕著な差異が認められた。この結果から、水田において繁殖するオモダカは集団ごとに繁殖様式が多様であることが明らかとなった。また、SU剤抵抗性を有することが確認された3集団についてはいずれもクローン繁殖の度合が高く、抵抗性を獲得したクローンが無性繁殖により優占することが示唆された。
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