数種の植物を混植すると生産性が高まることが知られているが、そのメカニズムとして、光や養水分が相補的に利用されるためであると考えられている。しかし、養分の相補的利用を考える上で重要な形態的特性である根の分布パターンは、混植した圃場条件では測定が困難なためほとんど行われてこなかった。そこで、新たに開発されたマルチカラー根染色法を用いて、単植と混植両方の3 種類の緑肥作物の根の分布パターンを調査した。 ソルガムは、他の植物と混植にすると、単植に比べて根の分布が深くなり、混植によるバイオマスの増加にもっとも貢献していた。クロタラリアは単植、混植ともに深い根の分布パターンを示した。ヒマワリは根の分布が浅く、混植にすると特に降雨の少ない条件で著しく生育が劣った。本研究で明らかになった根の分布パターンは、それぞれの植物の混植での地上部の生育パターンの密接に関わっていた。
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