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2009 年度 実績報告書

落葉果樹の休眠制御機構の解明-樹体ジョイント法を利用した新規解析法

研究課題

研究課題/領域番号 19780018
研究機関筑波大学

研究代表者

瀬古澤 由彦  筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教 (90361310)

キーワード気候変動 / 休眠覚醒 / 果樹 / ジョイント法 / ニホンナシ
研究概要

休眠打破の不良や不時開花などの問題解決を目的に、休眠打破した樹に連結した非休眠打破樹への養水分の移動に伴う影響等を明らかにするため試験を行った。
昨年度に引き続き休眠打破剤(シアナミド)による休眠打破への影響について、直接処理を行う樹から、ジョイント仕立てにより隣接樹と養水分の通導が行われる連結された樹体に及ぼされる影響について調査を行った。本年度も自然条件下で必要とされる休眠要求量を十分に与えた実験樹を用いて、休眠打破剤(シアナミド剤)による処理を行った。前年と同様に2連および3連に接ぎ木を行い連結したジョイント樹のうち、2連のユニットに関しては先端または基部側の樹体にのみに、3連のユニットについては中間の樹体にのみ休眠打破剤処理を行った。
休眠打破剤の処理を行った樹の葉芽において対照区に比べ萌芽が促進されていたが、昨年度と比べその効果が小さい傾向であった。くわえて昨年度および一昨年度と異なり、同一ユニット内の休眠打破剤処理を行った樹から連結された隣接樹への萌芽促進効果の伝達が明確ではなかった。これは休眠打破剤を処理した樹に対する萌芽促進処理の効果が小さかったことが、要因になっていると思われる。また、本年はニホンナシの萌芽時期において、非常に寒暖の差が著しい気象条件が連日にわたって繰り返されたため、休眠打破剤の萌芽促進処理の効果が現れにくい環境条件であった可能性もある。
今回の試験においては「ジョイント整枝法」を応用し、落葉果樹における自発休眠覚醒の制御機構に関して既存の方法とは異なったアプローチを試みたが、萌芽促進処理した樹に連結した非休眠打破樹への養水分の移動に伴う影響の伝達傾向が、過去3年間の試験を行った年によって異なってしまった。これは接ぎ木部における維管束のつながり度合いや、試験中の環境条件が影響していることが考えられ、より詳細に試験を行うためにはこれらの点について改善を行う必要があると考える。

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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