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2007 年度 実績報告書

農地からの養分流亡に起因する地下水汚染と栽培学的水質改善策の確立

研究課題

研究課題/領域番号 19780025
研究機関長崎総合科学大学

研究代表者

西村 安代  長崎総合科学大学, 長崎総合科学大学, 准教授 (20435134)

キーワード環境保全 / 栽培 / 水質保全 / 地下水汚染 / 養分流亡 / 肥料バランス / 養液栽培 / 生理障害
研究概要

1. 養液栽培の培養液管理方法の確立:パプリカを供試し,培養液管理は閉鎖型循環式として(1)EC値を1.5dS/mに設定した自動肥料管理機利用区,(2)減少分追加する区,排液排出型として(3)すべて更新する区,(4)かけ流し,再利用しない区を設け比較栽培を行った.その結果,収量は更新区で最高となったが,EC区と有意な差異は認められなかった.7ヶ月以上の長期にわたり栽培を続けてきたが,EC値を基準とした管理区では,試験終了間際に多少成分バランスが崩れたものの,それまではほぼ安定していた.EC値を基準とした培養液管理は自動化され省力であるのみならず,過剰な肥料供給を抑え,排液を出さない大きなメリットがあるため,環境負荷軽減に多いに貢献できるものと思われた.
2. 生理障害発生要因の解明と対策:キャベツ,セルリー,レタスを供試し,(1)基本培養液K/Ca=2,(2)基本+k_2SO_4でK/Ca=4, (3)基本+KCIで K/Ca=4,(4)基本+K_2SO_4でK/Ca=6,(5)基本+KC1でK/Ca=6,(6)基本+K_2SO_4でK/Ca=8,(7)基本とKCIで K/Ca=8のKとCaバランスを変えて液肥灌水処理を行った.その結果,キャベツとレタスの生育はK_2SO_4を用いた2区で最も優れ,結球重も重くなったが,セルリーではKCIを用いた3区が優れ,作物により好適塩の種類は異なった.キャベツとレタスの葉内Ca含有率は外葉で高く,結球内葉で低下し,セルリーでも同じ傾向であった.またK/Caが高まるにつれてCa含有率は低下したが,同K/Caバランス内ではK_2SO_4を用いた場合に低下する傾向が認められた.レタスのチップバーン発生は,K_2SO_4区で著しく,K/Caが高まるにつれて一層助長された.以上より,K/Ca比が高くなると根からのカルシウム吸収が抑制され,外葉から内葉の葉縁部にかけてチップバーンの発生を誘発することが明らかとなった.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] キチン・キトサンの農業への利用2007

    • 著者名/発表者名
      福元康文・西村安代・竹崎あかね
    • 雑誌名

      研究ジャーナル 30, 4

      ページ: 21-25

  • [学会発表] K/Caバランスがキャベツ、セルリー、レタスの生育とK、Ca、Mg吸収に及ぼす影響2008

    • 著者名/発表者名
      福元康文、西村安代、Inthichack Phommy、島崎一彦
    • 学会等名
      園芸学会平成20年度春季大会
    • 発表場所
      東京農業大学
    • 年月日
      2008-03-29
  • [学会発表] 波長変換フィルム下におけるアブラナ科疏菜の生育特性2008

    • 著者名/発表者名
      西村安代・福元康文・有賀広志・下井保子・進沙耶香
    • 学会等名
      園芸学会平成20年度春季大会
    • 発表場所
      東京農業大学
    • 年月日
      2008-03-29
  • [学会発表] 海洋性腐植資材が小ネギの成育と品質に及ぼす影響2007

    • 著者名/発表者名
      福元康文・西村安代
    • 学会等名
      農業生産技術管理学会平成19年度大会
    • 発表場所
      熊本県立大学
    • 年月日
      2007-11-03
  • [学会発表] パプリカの循環式養液栽培における培養液管理方法の違いが養分吸収と果実の収量・品質に及ぼす影響2007

    • 著者名/発表者名
      西村安代、福元康文、長谷真樹、島崎一彦
    • 学会等名
      園芸学会平成19年度秋季大会
    • 発表場所
      香川大学幸町キャンパス
    • 年月日
      2007-09-30
  • [学会発表] マイクロバブルオゾン水噴霧及び培地の種類がイチゴの果実収量・品質に及ぼす影響2007

    • 著者名/発表者名
      福元康文、橋詰和人、伊賀礼奈、西村安代
    • 学会等名
      園芸学会中四国支部平成19年度大会
    • 発表場所
      島根大学生物資源学部
    • 年月日
      2007-07-28
  • [学会発表] NFT 栽培における培養液へのフミン酸抽出液の添加がチンゲンサイの成長と品質に及ぼす影響2007

    • 著者名/発表者名
      福元康文, 揖本智司, 西村安代, 豊増康生, 横田菜緒子
    • 学会等名
      園芸学会中四国支部平成19年度大会
    • 発表場所
      島根大学生物資源学部
    • 年月日
      2007-07-28

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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