本研究では、本研究期間(平成l9〜21年)内に、リモートセンシングを活用しモンスーンアジア地域の当該都市における現地気象データを調査し、諸都市のヒートアイランドの緩和に資する緑地計画の評価手法を明らかにすることとしている。そこで、平成19年度は、以下のような研究成果を得ることができた。 アジア地域の諸都市のうち、8月に北京、3月にバンコクに現地調査をおこないC現地の気象観測調査、スペクトルメーター調査、GPSによる高度、緯度調査をおこなった。それぞれ北京林業大学、タマサート大学の研究者の協力を得ておこなうことができた。北京での調査結果から、気温とリモートセンシングデータの地表面温度、緑地形態、標高との関係を解析し、気温の推定のためのモデル式を導き出し、緑地による気温推定図を作成することができた。 そこで、その気温推定式により計画された緑地による気温推定図を作成し、その緑地計画による気温変化を明らかにした。すなわち緑地計画による環境評価を明らかにした。その研究成果を2月に(社)計測制御学会リモートセンシングフォーラムにて口頭発表をおこなった。また、バンコクでの調査結果から、地表面温度、緑地形態、標高との関係を解析したところであるが、これまでの諸都市とは、ヒートアイランドの特徴が異なる結果となった。すなわち、緑地の気温に与える影響範囲が非常に小さいことである。これは、バンコクの熱帯地域という地理的条件によるものか、それともデルタ地帯にあるという地形的要因によるものかと考えられるが、他の熱帯地域の都市を解析することで明らかにできるものと考えられる。
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